KIP鹿児島IPOプロジェクト

第1部では株式会社東京証券取引所 上場推進部 岡野 豊 氏 より「最近の上場傾向」について講演いただきました。最近の上場企業の規模比較、都道府県別上場会社数、各地域別の上場件数の推移をデータに基づき説明を行うほか、2023年度は上場承認が出た会社が九州でも多い傾向があるとお話がありました。また、上場会社経営者インタビューの集計結果では「知名度や信頼度の向上」「資金調達力の向上」「人材の確保」「従業員の士気向上」などの効果があり、社内管理体制を強化したことで業務の標準化が進み、事業運営効率が上がったとの意見が多いとお話しくださいました。

株式会社昴 代表取締役会長 西村 道子 氏、株式会社 Fusic代表取締役社長 納富 貞嘉 氏から「上場体験談」として講演いただきました。

株式会社昴 の 西村 氏は、リーマンショックを機に会社の利益と社員の利益が一致することを考え、有限会社から株式会社への転換、社名を変更し、上場へ踏み切りました。上場をすることで知名度や人材獲得などはもちろんありますが、上場に向け取り組むことで社内が一丸となったのが印象残っていると話されました。現在も確実に利益を挙げて株主へ配当ができるよう運営を行なっています。

株式会社 Fusicの納富 氏は、大学院在学中に友人と起業。最初は好奇心から上場を決意しました。最短で上場をすることを決めたとき、情報が溢れており何を信じれば良いか判断に困ることもあったとのことです。納富氏は、「信頼できる方を１人見つけ、アドバイスをもらったこと、上場準備のためのチーム作りを重視したことが最短での上場に繋がったと思う」と話されていました。「上場をすることで外部からの評価が変わり、社会的信頼を得ることができたため、上場して良かった」とお話いただきました。

【第三部】

３部のパネルディスカッションでは、株式会社東京証券取引所 岡野氏、株式会社 昴 西村氏、株式会社 Fusic 納富氏に登壇いただき参加者からの質疑応答に応えました。

今回のセミナーでは、上場とはゴールではなく成長するためのものであり、上場を目指すことで、企業の成長に向かうための体制を見直し、社員の成長・士気向上、さらなる事業拡大につなげることができるということを認識できる第2回セミナーとなりました。