【2026年度】第2回 企業成長セミナー「地方企業のグローバル高付加価値メーカー実現に向けた成長戦略(航空宇宙)」を開催いたしました!
2026年9月24日、鹿児島中央ビルディングにて、令和8年度 企業成長・経営革新促進ハンズオン支援事業「第2回 企業成長セミナー」を開催いたしました。
今回は「100億企業創出事業」を軸に、制度の説明から経営者の実践まで知る機会となりました。
設備投資だけではなく、経営者自らが挑戦を続ける
九州経済産業局 産業部 経営支援・金融課 課長 志方 秀明 氏
今回のセミナーは、九州経済産業局の志方氏による国の支援策の説明から始まりました。
志方氏はまず、日本の設備投資が世界と比べて長く低い水準にあることをデータで示しました。だからこそ国は今、成長意欲のある企業を後押しする「スケールアップ型」の支援に軸足を移しているとのこと。キーワードは「成長・賃上げ・経営者」です。
その代表が「100億企業創出事業」。売上高10億円以上・100億円未満の企業の経営者が「100億円を目指す」と宣言し、国や関係機関が一体となって支援する仕組みです。全国ではすでに3,690社が宣言していますが、鹿児島県内はまだ28社とのこと。
成長企業に共通するのは、設備投資だけでなく、経営者自らが変化を恐れずに挑戦し続けている点だと志方氏。今後は「10億企業創出事業」など、支援の幅を広げていきたいと述べました。

100億企業の「実績者」ではなく「実践者」として

株式会社ひびき精機 代表取締役社長 松山 功 氏
第一部の基調講演は、100億宣言企業であるひびき精機の松山氏。山口県下関市で、ミクロン単位の精度で金属部品をつくる受託製造の会社です。
松山氏は、昨年4月に事業承継で代表に就任しました。就任時に26億円だった売上は、直後の決算で33億円、直近では34億円。100億宣言をした時点では、目標の約4分の1の規模でした。「私は100億企業の実績者ではなく、100億企業を目指す実践者です」と松山氏は語ります。
松山氏が目指すのは「航空宇宙エンジンの部品の製造」の領域で、まず2年以内に売上50億円へ引き上げること。ただその先、今の生産面積で実現できるのは70億円程度が限界だといいます。100億円までの残り30億円をどう生み出すか。それを考えるきっかけになったのが100億宣言でした。
九州エリアにはまだ航空宇宙のビジネスが十分に広がっていない。だからこそ下関の同社が供給拠点の一翼を担い、山口から九州、広島へと広げていくロードマップを描いていると述べました。
同社はグローバル展開にも力を入れており、海外のロケットプロジェクトにも国内大手メーカーと共にエンジン部品の製造で携わっているとのこと。「日本の技術は海外で十分通用する。私たち中小製造業が海外市場へ直接アプローチすることで、30億円規模の売上創出を目標としている」と語りました。


質疑応答では、成長加速化補助金の採択について質問が集まりました。同社はコンサルタントを入れず、中小機構の担当者との対話で事業構想を「言語化」してもらったことが大きかったといいます。また、二次審査のプレゼンで重視されるのは、最悪のリスクシナリオまで考え抜かれているか、そして経営者本人がどこまで答えられるか、だと述べました。
そしてDXの取り組みにも力を入れている同社。全社員にiPadを支給し、困りごとの10のうち7はiPadで自己解決できる環境を構築したとのこと。情報を探す時間をなくした分、熟練者は「能力がないとできないこと」に向き合う時間が増え、かつて60代が担っていた技術を30代前半へ承継できるようになったと述べられ、話を締められました。
お客様と共に「2つの壁」を乗り越える

株式会社日本政策金融公庫 顧客支援室 顧客支援推進グループ
上席グループ長代理 長野 卓実 氏
第二部は、100億企業を支える2つの機関から。まずは日本政策金融公庫の長野氏です。
長野氏が語ったのは、成長の過程で直面する「2つの壁」。ひとつは「市場規模の壁」で、どんなに優れた企業でも、属する市場の規模以上の売上は作れません。もうひとつは「供給能力の壁」で、市場が広がっても、販売力・設備・人材が追いつかなければ成長は止まります。この2つを、お客様と共に乗り越えたいと述べました。
公庫では今年度から「100億企業創出支援パッケージ」を開始。ありたい未来から打ち手を逆算する「バックキャスティング」で戦略を描き、成長投資を融資で後押しし、地域の支援機関と連携して長期的に伴走します。事例として、事業承継を機に組織を変え、独自技術で新市場を開拓している、飛躍的成長を目指す企業が紹介されました。

独立行政法人 中小企業基盤整備機構 九州本部 南九州事務所
所長 神園 英輝 氏
続いて中小機構の神園氏。枕崎市の出身とのことです。成長を目指す企業は、人材、新事業、設備投資、組織、BCPといった課題に同時に直面するとして、それぞれに対応する支援メニューを紹介しました。
なかでも紹介されたのが「ハンズオン支援」。専門家が半年から1年、月2回ほど企業を訪ね、課題解決に伴走する制度です。答えを教えるのではなく、社員自身が解決できるノウハウを社内に残すのが特徴。「制度の名前は覚えていなくても、悩んだらまず中小機構に相談してみよう、と思い出していただければ」と締め括られました。
100億宣言という一つの決断が、経営者の思考をどう変え、どんな支援につながっていくのか。
宣言した経営者と、それを支える機関の話を同じ日に聞くことで、宣言とは経営者の覚悟の表明であり、そこから支援が動き出すのだ、ということが再確認されました。
次回の企業成長セミナーのご案内
▼お申し込みはこちらから受け付けています▼
1 日 時
令和8年10月6日(火) 15:00〜17:00
2 会 場
鹿児島中央ビルディング 8F
3 内 容
導入講義:TOKYO PRO Market/Fukuoka PRO Marketの基本
【講師】
九州FG証券株式会社 塚脇 一 氏
基調講演:上場体験談
【講師】
寶結株式会社 代表取締役社長 福岡 広大 氏
パネルディスカッション
【パネリスト】
九州FG証券株式会社 塚脇 一 氏
寶結株式会社 代表取締役社長 福岡 広大 氏
証券会員制法人 福岡証券取引所 家村 昌弘 氏
【モデレーター】
有限責任監査法人トーマツ