【2025年度】企業成長・経営革新コース 企業成長セミナー「経営ビジョン」を開催いたしました!

2025年9月3日、鹿児島中央ビルディングにて第1回 KIP企業成長セミナー「経営ビジョン」が開催されました。今年度より、企業成長セミナーが「IPO支援コース」「企業成長・経営革新コース」の2つのコースに分かれてパワーアップ。これにより、企業の成長段階や目標に合わせて最適なコースを選べるようになり、より個別化された支援を提供できるようになりました。

リーダーの条件:信念と論理的思考で願望を達成する

鹿児島大学 稲盛アカデミー特任教授 粕谷 昌志氏

第1部のセミナーでは、鹿児島大学稲盛アカデミー特任教授 粕谷 昌志氏が登壇。京セラの創業者であり、鹿児島市出身の稲盛和夫氏の講話ビデオと実例を通じて、リーダーに不可欠な「心構え」と「具体的な手法」を学びます。
稲盛氏が最も重要と語るのは、リーダー自身が「明確な経営目標」を掲げ、「必ず達成できる」と信じ抜く強い心を持つこと。達成できるとリーダーが心の底から信じていなければ、どれだけ部下に説いても目標は達成できません。
さらに、重要なのは目標のハードルの高さ。高すぎる目標は人々を萎縮させ、安易な目標は組織を成長させません。稲盛氏は「経営目標とは、リーダーのこうしたいという強い思い、意思が表れたもの」と語り、その思いが社員に伝わることで組織は動くと説きました。

さらに、信念だけでは不十分です。リーダーは、目標達成に至る具体的なプロセスを論理的に検討しなければなりません。「成功させたい!」という強い願望を持ったら、そのための具体的な手法を理知的に考えることが不可欠となります。
稲盛氏は、目標達成後の姿が明確に見えるまで徹底的にシミュレーションを繰り返すことを重視していました。この考えは、稲盛氏が設立した、KDDIの前身である第二電電の成功にも通じています。徹底した事前シミュレーションがあったからこそ、「予期せぬ事態はあれど、不安は感じなかった」と語る稲盛氏。目標への強い思いと、入念なシミュレーションが成功への鍵となることがわかりました。

リーダーの情熱が組織を変える!稲盛氏の「全員参加型経営」の秘訣

リーダーの情熱は、単なる個人的な思いに留まらず、組織全体に波及するエネルギーです。稲盛氏は、リーダーが持つ情熱やエネルギーを部下に「注入」し、目標達成への自信を持たせることの重要性を強調しています。社員一人ひとりが「何がなんでもやってやる!」という顔つきになるまで、目標達成の意義や、完成品が社会にどう貢献するのかを情熱を込めて語り続ける。これこそが、組織を一つにまとめるリーダーの役割と語ります。

稲盛氏は、社員が建設的な意見を自由に発言できる雰囲気を作り、良いアイデアは積極的に採用することで、社員に経営への参画意識を持たせることを目指しました。
個々の意見を尊重し、全員が心を一つにして力を合わせることで、組織は「集合知性」の高いチームへと進化します。
粕谷氏は、「まるで、2018年の冬季オリンピックでパシュートチームが、他国との身体能力の差を心を一つにしたチーム連携で覆し、金メダルを獲得したように、個々の力を超えた圧倒的な成果を生み出す」と語りました。

気づきを共有し、自社で活かす!「共感」できる経営への第一歩

第1部セミナーで稲盛和夫氏の経営論に触れた後、第2部ではワークショップを通じて参加者の皆様が「気づき」を共有しました。
経営者としての視点だけでなく、一社員としての視点からも「会社の経営を自分単位の目標に落とし込む必要がある」といった貴重な意見が交わされました。

さらに、稲盛氏が実践したコミュニケーションの工夫をヒントに、それぞれが社内で取り入れられる具体的な改善案を導き出しました。参加者同士の活発な意見交換を通じて、これまで気づかなかった会社の課題や、精神的な側面から改善できる点が明らかになる場面もありました。互いの「気づき」を共有することで、新たな発見や共感が生まれ、実りある時間となりました。

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